Posted:2017-9-1

奈良時代に日本に伝わったとされ、日本人には馴染み深い野菜のひとつ。
世界的に見てもその品種は豊富で、色や形、重さなども実にバラティ豊か。

インド東部原産のナス科の植物。日本に入ってきたとされる奈良時代の書物にも、栽培や調理についての記述が残されている。全国各地にさまざまな在来品種が存在し、特産としている地方も多い。

なすの語源は諸説あるが、夏にとれる野菜「夏の実(なつのみ)」から「なすび」という名に転じたとする説が最も有力で、その後室町時代の女官に「おなす」と呼ばれるようになり、いつからか「なす」の名が一般的に使われるようになったという。

大長なす(おおながなす)

その名の通り非常に長い品種で、国内で生産されるものの中では最も長く、40〜60cmほどにもなる。皮はしっかりとしていて固めだが、中の果肉は柔らかい。

6月〜9月頃
主な産地
九州・東北地方
おすすめの料理
焼きなす、煮物

巾着なす(きんちゃくなす)

紐で口を絞った巾着袋のように筋が入った品種。かじっても簡単に噛み切れないほど実が詰まっているのが特徴。生でも甘みが強い。

6月〜9月頃
主な産地
新潟県の一部
おすすめの料理
蒸かしなす、即席漬けなどの漬物

民田なす(みんでんなす)

山形県特産の重さ10〜20gの一口サイズの小丸なす。皮が柔らかく締まった肉質で、漬物には欠かせない人気の高い品種。

7月〜10月頃
主な産地
山形県鶴岡市を中心とした庄内地方
おすすめの料理
漬物(浅漬け、からし漬けなど)

賀茂なす(かもなす)

京の伝統野菜に認定されている丸なすの一種。正円形で直径12〜15cmほどもあり、作り方によっては1kg近い重さになるものも。硬く締まった肉質。

6月〜10月頃
主な産地
京都市内中心
おすすめの料理
味噌田楽、しぎ焼、煮物、浅漬けなど

米なす(べいなす)

アメリカの「ブラックビューティ」という品種を日本で改良したものといわれる。へたが緑色で表皮が濃い紫色の大型なすの総称。

7月〜10月頃
主な産地
長野県
おすすめの料理
詰め物をした煮込み、ステーキ、ソテー

シルクなす(純白なす)

但東町のオリジナル品種。アメリカ原産のものを改良した色素がない真っ白ななす。実がよく締まっていて、糖度と水分量は、なすの平均の約2倍。

7月〜9月頃
主な産地
兵庫県豊岡市但東町
おすすめの料理
おひたし、田楽、素揚げ、天ぷら