Posted:2017-2-27

数ある春野菜のなかでも、ひときわ旬を感じさせてくれる「たけのこ」。
やわらかくて甘みがある独特の味わいは、旬ならでは。

「たけのこ」とは竹や笹類の幼茎で、温暖な地域に多く生える。70種類ほどあるといわれるが、食用にされているのは、最も消費量が多い孟宗竹をはじめ、ほんの数種類。日本では春を告げる食材として親しまれている。

「筍」の名の由来は、一旬(10日間程度)であの「竹」まで生長してしまうからだといわれる。食べられる期間もごくわずか、土から出るか出ないかという時のみ。

孟宗竹(モウソウチク)

一般に「たけのこ」といえばこれ。太めで厚みがあり、身は白くて柔らかい。えぐみが少ない独特の甘味を含んだ上品な味わいと、歯ごたえが特徴。

孟宗竹

3月〜5月中旬
主な産地
九州・四国・関西地方
おすすめの料理
炊き込みご飯や煮物、和え物、天ぷらなど万能

淡竹(ハチク)

孟宗竹よりもえぐみやアクが少なく、甘みがありあっさりとした風味。細長く、やわらかでシャキッとした歯ざわり。地面から出ている部分を食べる。

淡竹

4月中旬〜5月
主な産地
近畿から九州にかけて
おすすめの料理
煮物や揚げ物など孟宗竹と同様に調理可能

真竹(マダケ)

やや細長く、長さは30〜40cm程度のものを採る。アクは少なめで身はやわらかい。えぐみと苦味が混在するが、コリコリとした食感で風味が良い。

真竹

5月〜6月中旬
主な産地
近畿から九州にかけて
おすすめの料理
煮物、炒め物、スープ、炊き込みご飯など

根曲がり竹(ネマガリタケ)

別名「姫竹」。太さ1~1.5cm、長さ20cm程度の細長いたけのこ。優しく良い香りでアクが少ない。穂先はやわらかく、根元はコリコリして非常に歯ざわりが良い。

根曲がり竹

5月中旬〜6月
主な産地
東北・北陸・北海道など
おすすめの料理
味噌汁、素焼き、天ぷら、煮物、ホイル焼きなど

四方竹(シホウチク)

茎の断面が丸みを帯びた四角形になる。アクが強いがコリッとした食感で、ほんのり苦みがある。香りは少なくほのかに香る程度。

四方竹

10月上旬〜中旬
主な産地
高知県・福岡県など
おすすめの料理
炊き込みご飯、炒め物、天ぷら、煮物など

寒山竹(カンザンチク)

大名竹(大明竹)とも呼ばれる。歯ごたえはあるが生で食べられるほどやわらかく、アクも少なくて上品。その美味しさはたけのこの中でいちばんとも。

寒山竹

7月〜8月中旬
主な産地
九州南部
おすすめの料理
刺身、丸焼き、天ぷらなど蒸し焼きも◎