【鶉豆】うずらまめ
マメ科インゲンマメ属 英:common bean Phaseolus vulgaris L.
- 主な用途 :
- 水煮、煮豆、煮込み料理など、甘納豆などの加工品
うずらの卵に似た模様
豆の表面の模様が、うずらの卵に似ているから「うずら豆」。うずら豆には、福粒中長、福うずら、中長うずら豆などの品種があります。クランベリービーン、ピントビーンなど、うずら豆とよく似た豆は海外にも存在します。どれも模様が表皮全体に及ぶ「普斑種」の豆で、虎豆やパンダ豆のように部分的に模様が入る豆は「偏斑種」と呼ばれます。一粒一粒、ぜんぶちがう模様のうずら豆。水浸けして茹でると、残念ながら模様はわかりにくくなります。皮がやわらかいので、茹でたてホクホクの自然なあまさが好まれています。
女性にうれしい食物繊維や亜鉛、ビタミンB2が豊富
いんげん豆の仲間であるうずら豆。免疫力を維持し、タンパク質の合成を助ける亜鉛はホウレン草の約3倍、粘膜や細胞の再生に関わるビタミンB2は、すだちの2倍以上、便秘解消に役立つ食物繊維はタケノコの5~6倍ほど含んでいます。主要産地である北海道・十勝の女性にも、年齢層を問わず好まれるのは、そのおいしさと栄養成分が豊富なところにあるのでしょう。
その歴史は北海道から始まった
豆の王国・北海道には、四国などから開拓民として渡った人たちが持ち込んだ豆がいくつもありますが、うずら豆の歴史は異なります。うずら豆が日本に輸入されたのは、屯田兵が北海道開拓を始めた明治時代。「少年よ、大志を抱け」のクラーク博士と関係の深い札幌農学校で、最初に栽培されました。
今では全国区に広まったうずら豆は、ひと鍋、豆だけを煮て甘く味付けする昔ながらの調理法が一般的です。しかし、うずら豆は皮が薄いので味が入りやすく、他の食材と上手に組み合わせることで、料理の幅を広げます。水煮や缶詰のものも入手できますが、自分で水戻ししたものを煮るうずら豆のおいしさは格別です。

一粒一粒、ぜんぶちがう模様のうずら豆

茹でると模様はわかりにくくなる

うずら豆の花
うずら豆を使ったレシピ
うずら豆のハンバーグ
ハンバーグのつなぎにパン粉や豆腐を合わせるように、やわ茹でにした うずら豆をつぶして使います。
材料 約2人分
- うずら豆 茹で上がり100g(1カップ弱)盛りつけ用に、形がきれいに茹で上がったものを数粒のこしておく
- 挽き肉(牛、または合挽) 150g
- 玉ネギ 小1/2個
- 塩 小さじ1/4
- コショウ、ナツメグなど お好みで
- サラダ油 ハンバーグを焼く適量
- 付け合せの野菜 生野菜、焼き野菜など好みのものを
- ※ハンバーグのタレはポン酢と大根おろしを添えていますが、市販のハンバーグソースやデミグラスソースなど、お好みで
作り方
- うずら豆を水洗いし、半日以上水に浸してもどす。
- もどった豆と水を鍋に入れて煮る。沸騰してアクが浮いてきたらすくい取り、中火で40~50分ほどやわらかく煮る。
- 玉ネギをみじん切りにして炒め、粗熱をとる。うずら豆は湯切りして、スプーンの背などでざっくりとつぶす。
- 挽き肉と3、塩、コショウ、香辛料を加えて混ぜ、ハンバーグの形に成形する。
- フライパンに油をひいて、ハンバーグ両面を焼く。中まで火が通るように、表面に焦げ目がついたら弱火でじっくりと。
- 皿に野菜類と共に豆ハンバーグ、好みのソースを盛りつけて完成。
- ※飾りとして盛り付け時に、うずら豆を添えておくと、話題ができて楽しいです。